人生の成功のカギは教育ではない。経験でも、知識でも知力でもない。
この社会ではあまり気にされていない何かが、成功と失敗を分ける。 (「まえがき」より)
と、『あなたのチームは、機能してますか?』の著者であるパトリック・レンシオーニが主張しています。
では、「成功と失敗に関係しているのは何なのか?」と考えますよね。
それは、「心の知能指数」、すなわち「EQ」に関係があるのです。
本書では、EQとは何なのか、また人生の中でEQをどのように管理すれば良いのかを紹介しているわけです。
第3章『EQの4つのスキルを理解する』に焦点を当ててみましょう。
個人的なスキル【自己認識スキル】
自己認識力とはその瞬間の自分の心の動きを正しく把握し、さまざまな状況での自分の傾向を理解する力のこと。
「自己認識スキルを高めるためには、いやでもネガティブな感情に目を向けることが必要になる。心の動きを本当に理解するためには、どこからその感情が生まれ、なぜそう感じるのかを時間をかけてじっくりと考えなければならない」のだそうです。
また、自己認識スキルはEQの土台になるスキルだと著者は述べています。
自己認識力があれば他のEQスキルも簡単に使えるようになるということですね。
個人的なスキル【自己管理スキル】
人が行動を起こすときや、あえて行動を起こさないときに表に出るのが、自己管理力です。
自己管理スキルの高さは、自己認識力に左右されると著者は語っています。
自己管理とは、単に衝動や問題行動を抑えることではない。何よりも難しいのは、長期にわたって自分の傾向をコントロールし、様々な状況でこの力を実践することだ。
私はこの言葉を読んで、「確かにそうだなあ。」と思いました。というのも、人間は一時的な欲求に流されやすい生き物であり、長期的に継続するのはなかなかできることではないからです。
社会的なスキル【社会的認識スキル】
社会的認識スキルとは、他者の感情を正確に読み取り、相手の心の中で何が起きているかを理解する力のこと。
社会的認識スキルがあれば、周囲への目配りと気配りができ、重要な情報を読み取ることが可能になる。
と、著者は述べています。
そして、社会的認識スキルを構成する最も重要な要素は、聞くことと観察することだそうです。
相手と会話しているときに話の結論を勝手に推測したりせずに、目の前の相手をしっかり観察して、話をちゃんと聞くことが大事なのです。
社会的なスキル【人間関係管理スキル】
人間関係管理スキルとは、自分と他人の感情を理解し、その理解を利用して人との関わり合いを上手くマネジメントする力のこと。
この力には、意図を明確に伝え、争いを上手に扱うスキルが必要だそうです。
人々が怒りや苛立ちを抑えられず、他人に責任を押し付けようとすると、争いの火種が爆発する。
こういった状況を避け、他社との関わり合いから最大限の恩恵を受けるために必要なのが、人間関係スキルなのです。